中庭テラスの家
中と外の関係性を丁寧にデザインに落とし込み、外観そのものが印象的な表情を持つファサードに仕上げた住宅です。
敷地の隣には高層建物が迫り、前面道路を挟んだ向かいにはコンビニがあるなど、常に不特定多数の視線が行き交う環境。
このような条件のなかで、設計において最も重視したのは、室内の快適さとプライバシーの両立でした。
設計の第一歩は、すべての面を一度閉じること。
外部からの視線を遮りながらも、光や風が内部に届く位置を慎重にシミュレーションしました。
そこから「必要な場所だけを開く」という逆転の発想で開口部を設計。
結果として、外観は閉じた印象を持ちながらも、室内に入ると一転して明るく開放的な空間が広がる構成となりました。
リビングやダイニングにはやわらかな自然光が差し込み、風通しも確保。
窓や開口部は周囲の視線を意識して配置され、プライバシーを守りながらも、外部とのつながりや抜け感を感じられる空間になっています。
閉じた外観と開放的な内部空間とのギャップは、住む人に心地よい驚きと奥行きのある体験を与えます。
外観デザインは単なる見た目の美しさではなく、住まい手の暮らし方や環境条件を読み解き、空間体験へとつなげる設計手法そのもの。
敷地の制約や周囲の環境を逆手に取り、光・風・視線のバランスを緻密に計算したことで、プライベート空間の安心感と心地よい開放感を両立させた住宅が完成しました。