35.7°
「とにかくオシャレで、かっこいい建物を」――施主の明確な要望から、この住宅の計画は始まった。
敷地は両隣を住宅に挟まれた密集地。さらに方位のわずかなズレと、隣家の採光への配慮が求められる環境であった。
その制約を逆手に取り、建物を斜めに切り取る構成を採用。
生まれた三角のファサードが街並みに強い印象を残すと同時に、光と視線を巧みにコントロールする役割を果たしている。
内部には、外部と緩やかにつながる中庭テラスを配置。
切り取られた空間から差し込む光と風が、室内に豊かな陰影と奥行きをもたらす。
閉じすぎず、開きすぎない――その絶妙なバランスが、居心地の良さをつくり出している。
また、近隣への採光も考慮し、北側のリビングにも自然光が届くよう計画。
デザインが環境の課題を解決し、機能と造形が高い次元で調和した住まいとなった。
外観のシャープなラインと、内部に広がる穏やかな光。
相反する要素が響き合うことで、この住宅は「土地に導かれたデザイン」として完成した。